今日は、海の日
1.はじめに
今日、7月17日は、「海の日」です。
海の日は、海の恩恵に感謝するとともに海洋国日本の繁栄を願う日として制定され
ました。
海の日は、平成8年7月20日に国民の祝日「海の日」として、制定されました。
平成13年6月に「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律」が成立して以
降、平成15年からは、「海の日」は、7月の 第3月曜日として、その日付が毎年変
化することになりました。
ちなみに、海の日は、世界にもありますが、祝日は非常に珍しいものなのです。
2.海の日の由来
海の日は、昭和16年の「海の記念日」に由来するものです。
「海の記念日」は、明治天皇が、明治9年に東北へご巡幸された際に、灯台視察船明
治丸により横浜に安着したことが由来となっています。
3.海の日について
海の日の制定には、長きにわたる海事関係団体の関係者の貢献や尽力があります。
日本は、四方を海洋に囲まれ、海洋資源の多大な恩恵を受けてきました。その恩恵
を忘れないよう、2017年からは、7月1日~31日を「海の月間」として制定してい
ます。
確かに、7月1日~31日は、海開きの時期と重なりますね。
4.世界の海の日
世界にも海の日もしくは海を記念した日があります。
⑴ 世界海洋デー
国際連合(国連)は、1992年にリオデジャネイロで開かれた「環境と開発に関す
る国連会議」(通称:地球サミット)を受けて、海洋の復興および保護の促進を目
的として、「世界海洋デー」を定めました。
地球サミットでは、主に、フロンガスによるオゾン層破壊問題や、ジャング ル
の森林破壊などの環境問題に関する話しが行われました。
地球サミットの会議の中で地球環境を守っていくため「生物多様性条約」「国連
気候変動枠組み条約」などが決議されました。
それと同時にNGO組織、市民団体が声をあげる場として「グローバル・フォー
ラム」も開催されました。
地球環境を考えていく上で、海が果たす役割の大きさが再認識され、同時にカナ
ダ海洋研究所が主催した「海洋の日青い地球」がきっかけとなり、「海洋の日」宣
言がされ、世界海洋デーの制定のきっかけになりました。
「世界海洋デー」は、2009年から正式に国連の記念日として制定され、毎年違う
テーマで海や環境について考える日とされています。
ちなみに、今年2023年のテーマは、「Tides are Changing(潮の流れは変わって
いる)」でした。
潮の流れとは、時代の空気、流れをも意味します。
海洋プラスティック、海洋資源の乱獲、食物連鎖による化学物質の蓄積等、海の
問題は、それを利用し、海洋生物を食する人類の問題にそのまま繋がります。
世界海洋デーをきっかけに、海の問題に耳を傾けるきっかけにしたいですね。
⑵ カナダの海の日(「ocean day」 6月8日)
カナダは、地球サミットで海洋の日を提唱した国でもあり、海洋資源の保護や海
洋の復興に積極的な国です。
カナダでは、地球サミットをきっかけに「海洋の日」(「ocean day」)が制定
されました。
それをきっかけに、全国各地で、海に関する講演会やダイビングイベント、ビー
チクリーンアップなどの運動を行っています。
⑶ イギリスの海の日(「Ocean day」 6月8日)
イギリスは、カナダと同様の経緯で「Ocean day」が定められました。
イギリスでは、「Ocean Day」の目的である
① 海に関する見方を変えること
② 海に関する学習の機会を与えること
③ 海に関する考え方を変えること
④ 海の存在を祝う機会をつくること
をコンセプトに各地で様々なイベントが開催されます。
⑷ オーストラリアの海の日(「ocean Care Day」 12月第1日曜日)
「Ocean Care Day」とは「海を愛する者が、一年に一度、一緒に海洋環境の保存
に協力する日」です。
オーストラリアでは、海洋に関する民間ネットワーク(Marine and Coastal Community Network)が発達しており、全国各地がネットワークで繋がっている
ことが特徴です。
また、イルカやクジラなどの鯨類保護にも熱心な活動を行っており、「鯨類のス
トランディング」の先進国でもあります。
オーストラリアでは、地域グループ、政府関係団体、企業などと一緒になって海
洋に関する講演やイベントが行われ、海洋資源や海洋に関する啓蒙活動が行われて
います。
⑸ ニュージーランドの海の日(週間) (「Sea Week」 3月)
1987年に始まった「海洋美術コンクール」から発展したもので、「Sea Week」
期間中には、海洋に関する講演会・セミナー、水族館・海岸などのツアー、釣り大
会など様々な活動が行われます。小・中・高校では、「sea week」の期間中に海
洋に関する授業を取り入れることが多く、生徒たちが海洋を考える機会となってい
ます。
⑹ アメリカ(「National Maritime Day」 5月22日)
アメリカの海の日は、「National Maritime Day」です。
「National Maritime Day」は、1819年5月22日、ジョージア州で「サバンナ号」が
蒸気推進による初の大西洋横断に成功したことに由来しています。
「National Maritime Day」では、大統領が国民に対する声明を発表するほか、官
公庁等での国旗掲揚を行います。
当日のワシントンDCでは、大統領による海の日の宣言と声明の発表/殉職船員等
の慰霊祭/海軍、海事局、プロペラクラブ等がスポンサーとなる各種の行事があ
り、各港湾都市では、殉職船員等の慰霊祭、花輪献花式等が行われます。
3 おわりに
海は、温暖化の影響により、世界規模で変わってきています。
今後、海洋生物は減少していき、特に、貝類は温暖化により深刻な影響を受けると
言われています。
それだけではありません。海の砂漠化や海の汚染、海流の変化による気候変動、南
極の氷山が溶けていくことで海水温の上昇も直近の問題として残されています。
私たち1人1人では、できることは少ないですが、海の日の今日だけは、海のこと
をことに思いをはせてみるのも一考だと思います。