飲み屋で喧嘩して、相手を殴ってしまったら・・・

1.錦糸町という土地柄

 私の事務所がある錦糸町は、東京でも有数の歓楽街です。

 錦糸町には、南口・北口問わず飲み屋さんも沢山あるなかで、飲み屋で喧嘩のトラブルに巻き込まれ、つい相手を殴って警察に捕まってしまった。

 このような相談が結構あるんです。

 確かに、深夜に錦糸町の南口付近を歩いていると、よく喧嘩している声が聞こえます・・・

 

 錦糸町で犯罪を犯してしまうと、管轄である本所警察署で送致されます。

 警察に逮捕されると、その間ずっと身体拘束されてしまいます。

 当然ながら、学校にも職場に行けません。携帯電話も証拠隠滅を理由に没収されてしまいます。
 このような状況を解決する法的手段としては、釈放、勾留停止の申立て、保釈の申立て、不起訴の申請などの方法がありますが、そのために必要なことが、被害者と示談すことです。

  

 2.被害者と示談する意味

 では、傷害・暴行事件で被害者と示談することがどうして必要なのでしょうか?

「示談」とは、加害者と被害者の合意により犯罪行為について和解をすることです。

 示談が成立するためには、通常、被害者に示談金が支払われます。

 事前に示談金を支払った後に、被害者と「示談書」を取り交わします。
 被害者との間で示談が成立することにより、被害者から「宥恕」(広く寛大な心で許し、加害者の罪を問うつもりがないこと)をもらい、検察官に被害者には処罰の意思がないことを示します。

 

 被害者との示談が成立している以上、検察官としても、起訴しても、被害者感情が収まっており、厳罰で有罪となる可能性が低いため、場合によっては不起訴にすることも考えられます。そうすると、そもそも逮捕・勾留などの起訴のための身体拘束をする理由がなくなり、釈放される可能性が高くなるのです。仮に、起訴されたとしても、示談が成立したという事情を考慮して、量刑が軽くなったり、執行猶予や罰金で終わることもあります。

 

 一方、被害者にも示談金を受け取ることで損害賠償手続きを行うことなく、賠償金を受け取ることができ、被害者との余計な折衝を減らすことができます。

(刑事弁護をする中で被害者の方から、加害者とは、二度と会いたくない・話したくないというお話を聞きます。その場合、示談金での和解は、最も有効な方法です。)

 

3.示談金の相場

示談金の相場は、事件の内容や被害者のお怪我の状況、被害者感情の大きさ、トラブルを作出した原因、被害者の早期解決を望むかどうかなど様々な要因が含まれるため、一概には言えません。

5万円で解決した場合もあれば100万円を提示しても拒否されたケースもあります。

示談の成立は、あくまでも、被害者の方の意向に合わせる必要があります。

被害者の示談金を渡すタイミングやお金の渡し方には、特に慎重に行う必要があります。

 

刑事弁護を経験した弁護士から、

加害者の方が直接謝罪をすることや示談金を交付することは、やめましょう。

被害者は、加害者からの謝罪や示談金を受け取りませんし、事態を悪化させるだけになります。

 

 示談交渉は、刑事弁護に強い弁護士にお任せすべきです。

 刑事事件に強い弁護士であれば、被害者の心情に合わせて、適切な示談を進めることができます。

 墨田区錦糸町界隈で傷害罪や暴行罪を犯してしまい、被害者と示談したいと悩まれている方は、当事務所にご相談ください。