バレ・リュー症候群の後遺症の認定について

バレ・リュー症候群とは、交通事故などでむち打ち症状に遭い、それが原因となって、生じたと思われる自律神経の失調症状のことをいいます。

 

むち打ち症状に遭った患者さんは、頭痛、めまい、ふらつき、耳鳴りや疲労感などの症状を訴えることが多いですが、それだけではく、常態的に肩こり、動悸、息切れ、腹痛、下痢、便秘といった一見すると、交通事故とは関連しないような症状に遭うことがあります。

 

これら症状も、バレ・リュー症候群の1つと言われています。

 

交通事故などでむち打ち症状となり、障害症状を申告されているのに、

検査結果や結果に見合う器質的病変が見当たらない場合、「自律神経失調症」と呼んでいます。

 

以前では、バレ・リュー症候群の原因は、未解明であったのですが、

徐々に研究が進んで、原因がわかるようになりました。

 

現在の研究では、バレ・リュー症候群は、交感神経が事故によって生じたむち打ちによる頸部の圧迫により、刺激を受け続け、バランスを崩し、常時交感神経が作動することで、いわば「興奮状態」となって暴走し、その結果、不眠や睡眠障害といった引き起こすものと考えられています。

 

バレ・リュー症候群の治療としては、ペインクリニックもしくは麻酔科による痛みの改善を行います。

バレ・リュー症候群の具体的な治療としては、星状神経節ブロック、硬膜外ブロック、トリガーポイントの注射になります。

これらの治療により、興奮状態になった体を鎮痛し、交感神経と副交感神経のバランスを整えていくイメージです。

 

原因が特定しにくいバレ・リュー症候群の治療であっても、早期に治療を開始し、適切な治療を受ければ、3か月程度での改善が見込めます。

 

 

治療方法よりも、治療に向けた不安を口にする方のほうが多いです。

バレ・リュー症候群は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れている状況なので、

患者さん自身がコントロールできない、いわゆる「気持ち悪い」状態が続きます。

それ故、今後の治療に関して不安を覚える方も多いと聞きます。

 

バレ・リュー症候群は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れたことが原因であることは判明しつつあります。

患者さんには必要以上に不安になることはありません。

ご自身の神経バランスをうまくコントロールすれば、不安な気持ちは少しは安らぐと思われます。

 

バレ・リュー症候群に対しては、保険会社は厳しい姿勢を取ることが多いです。

検査結果やこれに見合う器質的病変が見当たらないため、中には詐病と疑われてしまうケースもあるようです。

 

しかしながら、

例えば、バレ・リュー症候群における「頭痛」であったとしても、

労働には差支えがないが、頻繁に発現しやすくなる場合には、14等級10号

労働には差支えがないが、時には労働差し支える程度の強い頭痛が生じた場合、12等級12号

一般的な労働能力は残存しているが、激しい頭痛により、ときには労働に従事することができない場合があり、就労可能な職種の範囲が相当な限定されている場合は、9等級10号が該当することになります。

 

バレ・リュー症候群と診断されたとしても、後遺症等級の認定を獲得することはできますし、むしろ後遺症等級の獲得を目指すべきであるといえます。

 

バレ・リュー症候群と診断された場合には、MRIやXPといった所見の資料だけではなく、治療を継続していく中で継続して症状を訴えていること、カルテ等に発現の頻度や頭痛の強さを記載していく必要があります。

 

バレ・リュー症候群となったとしても、

9等級10号に該当すると、弁護士基準で690万円、労働喪失率35%と大幅な損害賠償請求額が望めます。

したがって、バレ・リュー症候群と診断された場合であっても、諦めずに通院を続ければ、高額の損害賠償を獲得することが可能です。

 

バレ・リュー症候群と診断された際には、ペインクリニックや神経科にご相談されるだけでなく、弁護士に相談することも忘れずに覚えておいてください。

 

今回も、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。