温泉と法律

GW中に温泉に行かれた方も多いかと思います。

 

ところで、「温泉」とは、つまり「温かい泉」ってどういう意味でしょう?

 

温泉は、温泉法という法律で定められています。

 

温泉法では、「地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表①に掲げる温度又は物質を有するもの」と定義されています。

別表①では、

温泉の温度は、25度以上と定められています。

これに加えて、イオンや溶存物質が一定以上あることが求められています。

 

温泉以外にも、「療養泉」という温泉もあります。

「療養泉」は、温泉よりも濃度が濃くて、「特に治療の目的に供し得るもの」とされる温泉です。

 療養泉と主な温泉地は以下のようになります。

 

  療養泉            主な温泉地

  1. 単純温泉           箱根湯本温泉、湯布院温泉
  2. 塩化物泉           熱海温泉、秋保温泉
  3. 炭酸水素温泉         鳴子温泉別府温泉
  4. 硫酸塩泉           黒川温泉、伊香保温泉
  5. 二酸化炭素泉         有馬温泉乳頭温泉
  6. 含鉄泉            草津温泉登別温泉
  7. 酸性泉            蔵王温泉那須温泉
  8. 含よう素泉          白子温泉、強首温泉
  9. 硫黄泉            飛騨高山温泉、雲仙温泉
  10. 放射能泉(ラジウム泉)    三朝温泉、こんぴら温泉           

温泉の泉質のいろいろ | 日本温泉協会 (spa.or.jp)

 

 

温泉を採取する場合には、都道府県の許可が必要です。

温泉法に加えて各自治体では、温泉採取・利用の取り扱いの基準を設けています。

 

そのため、温泉付きの別荘を建てる場合や新しく温泉を利用するには、必ず各自治体の温泉採取・利用の取り扱いの基準を守る必要があります。

 

温泉は地下水を利用するものですから、温泉を掘りすぎると地盤沈下を引き起こし、

住民の生活環境を壊してしまいます。

 

そのため、温泉の採掘は、許可制にするとともに、「温泉資源を保護するガイドライン」を遵守して採掘することが求められます。

 

温泉を利用する際には、利用料金を支払う必要があり、熱海市では、30平方メートルで約1.5万円になります。

 

ただ、熱海に住む友人によると、

実際には、温泉利用料だけでなく、温泉を引くための施設やメンテナンスのための諸費用、供給加入料、温泉維持費などの費用もかさみ、温泉を引くだけでもすでに100万円以上の費用が生じたとのこと。

   

  温泉料金(消費税10%)|熱海市公式ウェブサイト (atami.lg.jp)

温泉は、利用するだけではなく、排水もしなければなりません。

温泉を下水道に捨てるだけでも、費用がかかりますし、当然ながら環境に配慮しなければなりません。

排水する際には、水質汚濁法に定められた一定の環境基準を下回るよう(各都道府県の条例では、より厳格な環境基準を定めている場合もあります。)排水する必要があります。

温泉は、大切な資源であると同時に利用者には環境を維持することが常に求められています。

 

多額のコストと利用者の不断の努力によって、私たちは温泉を利用できているのですね。

 

 

最後まで、本ブログを読んで頂き、ありがとうございました。